千家十職・塗師の系譜「中村宗哲歴代展」は2002年2月23日(土)〜3月10日(日)に開催いたしました


中村宗哲歴代作品

凡 鳥 棗

初代 宗哲

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伽羅香合 梅月

五代 宗哲

夕顔八角食籠

八代 宗哲

  

柊蒔絵大棗

十一代 宗哲

  

春野旅タンス

十二代 宗哲


解  説

凡鳥棗 藤村庸軒好 初代宗哲
外は黒の刷毛目塗で東山時代の塗師五郎が得意としたので五郎塗と呼ばれる。甲をひきしめて桐文を蒔絵し、梧桐に住む鳳凰を表す。鳳の字を二つに分けると凡鳥に等しいと、親友に相会えぬ残心を物語る中国の『世説』からの銘である。銘は棗の盆付に「凡鳥」と庸軒の朱漆書がある。藤村庸軒は宗旦の四天王と呼ばれる茶人で、漢学を学び機知に富む好み物が多く、親交のあった初代宗哲がその多くを作っている。

伽羅(くわら)香合 梅月 江岑好 五代宗哲
僧侶の袈裟の肩に付いている象牙の白い輪を掛絡(くわら)というが、それを象った香合。輪を横に二つに挽いて合口をつくり、全体を梨子地塗とし、合口は金の釦。甲に老木の梅花と小さい三日月が金蒔絵してある。奇抜な着想ながら風格のある香合である。

夕顔八角食籠 八代宗哲
食籠はもと唐物で見られるように、何段も重ねた食べ物の容器で、堆朱や青貝細工のものがある。次第に菓子器として用いるようになった。これは二段重ねで、下には主菓子、上には干菓子を入れる。小さく姫形だが、爪紅の稜角の部分まで堅地の仕上げとし、八角形のどの位置でもぴったり合わせるという手間のいる仕事である。一面一面を青漆爪紅に塗り、甲には夕顔の花と実を結んだ瓢が高蒔絵されている。

柊蒔絵大棗 即中斎好 十一代宗哲
節分に柊をさし邪悪を除くことはしられるが、黒棗に柊の葉、十一葉の蒔絵を散らした棗である。毎年節分の参詣に賑わう吉田神社で即中斎宗匠が献茶されることになり、この柊蒔絵の棗を好まれた。大戦中のことである。

春野旅タンス 而妙斎好 十二代宗哲
旅箪笥は小田原の役に参じた利休創案の桐木地の箪笥。上げ落としの前戸を金具で施錠、内は二段の棚があり、地板に水指、中棚に棗と茶碗、上棚に柄杓をかける。本作は桐木地を美しく保つため白漆塗りとし、野遊びの趣向で春野を彩漆で描いた。


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